わたしたち日本人が教育課程で”電気”について初めて習うのは、小学生での理科の授業での「直流」という電気だと思います。一方で、我々の家庭に送られてくる電気、つまりコンセントに流れている電気は「交流」の電気です。
今回は、「直流」と「交流」の違いは何か、それぞれどういった使い方をされているのか、それはなぜか、簡単にまとめてみたいと思います。
僕たちの日常に必要不可欠な電気について理解を深めよう!
直流(DC:Direct Current)
直流は、電気が流れるとき、時間によってその向きや大きさ、勢いが変化しない方式のことです。
電気の向き・大きさは、電流のことであり、向きは電子が流れる方向(の逆)、大きさは電子の量のことです。また、勢いとは、電圧のことです。
イメージは以下。
交流(AC:Alternating Current)
交流は、電気が流れるとき、時間によってその向きや大きさ、勢いが変化する方式のことです。
イメージは以下。
直流と交流の比較 -メリット・デメリット、用途-
前述の直流と交流の特徴を踏まえて、それぞれのメリット・デメリット、また、その用途をまとめたいと思います。
種類 | メリット | デメリット | 用途 |
---|---|---|---|
直流 | ・電圧も電流も一定値のため安定した電力を供給できる | ・電圧の上げ下げが難しい ・事故時などの遮断が難しい |
・テレビ ・スマホ ・PC ・自動車 etc |
交流 | ・電圧の上げ下げがし易い ・事故時などに遮断がし易い |
・コイルやコンデンサの影響を受けて電圧が変動し易い | ・発電所から各家庭のコンセントに至るまでの送配電網に流れる電気 |
交流送電に関する補足
上表に示した2つの利点から、発電所から各家庭のコンセントに至るまでの送配電網では交流が適用されています。その補足を以下に示します。
●電圧の上げ下げがし易い
交流は、電圧の上げ下げがし易いというメリットがありますが、これにより、同じ電力を送電する場合でも、電圧を低くして電流を大きくするよりも、電圧を高くして電流を小さくする方が、送電ロス(送電線の抵抗による電力消費)を減らすことができます。
よって、交流の電気を流す電力の送配電網では、送電ロスを減らし効率良く電力供給するために、変圧(電圧を高く)して送電しています。
●事故時などに遮断がし易い
遮断がし易い、というメリットについて、前述の交流のグラフでもわかるように、電流がゼロ点(大きさがゼロとなる点)を通るという特徴を生かしたものです。遮断とは、交流の電気のグラフが、このゼロ点に到達したときに、送電線を切り離すことです。
電力系統の送配電網にて事故、例えば送電線にクレーンが引っかかったり、雷が落ちたり、、そのようなことが起きると、事故の遮断・除去を即座にしなければ、事故が波及し、最終的にはブラックアウトに至る可能性があります。
ブラックアウトに至らないようにするためには、事故を即座に検出し、遮断する必要がありますが、交流の電気では、前述の特徴から、それを実現することができます。
ちなみに、電気を遮断する装置は、各家庭にも必ずついている”ブレーカ”のことです。発電所から各家庭のコンセントに至るまでの送配電網の中にも、もっと特大なブレーカ(遮断器)が設置されていて、事故が起きた時には、即座にその事故箇所を系統から切り離して、大停電を防ぐ役割を果たしています。
家のブレーカーは、契約している電気よりもたくさん電気を使われると、それを検出して、ブレーカーを落とす、つまり電気を遮断しています。
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